タイトーがおくる音楽体感アトラクション・グルーヴコースターより、
sky_delta作曲、3EXの『Lethal Dose』。収録曲の一つ。
音楽ゲームとジェットコースターの融合を掲げるグルーヴコースターシリーズのうち、アーケード向けのナンバリング3作目のアッパーバージョンにあたる本作。楽曲の入替や各種調整はもちろん、新要素として、課題曲に沿って遊ぶイベントプレイのなかにオンライン対戦型ではないソロイベントが追加された。これによりマッチング時の力量差にかかわらず各々のペースで進められるようになった。ソロでもランキングに応じた順位報酬は獲得可能であるため、オンライン対戦と併存する形でプレイスタイルの幅が広がった。システム面では、ナビゲーター(作中の案内役を務めるキャラ)にオリジナルの新ヒロイン・ユメが加わったことに加え、切替機能で初音ミクやチルノなどのゲストキャラを設定することもできる。引き続き他作品とのコラボが盛んにおこなわれたほか、高難度の譜面を中心にいっそう熟練度を問われるようになった。全般的に順当に要素が盛り込まれた仕上がりとなっている。
本作ではこれまでの収録曲に加えて、ボーカロイドや東方アレンジを軸に100曲以上が加わった。収録傾向はコラボの影響もあって二次元・サブカル寄りのものが多い一方で、本作初出のオリジナルは20曲ほど順次配信された。タイトー内製サウンドチームのZUNTATAのMASAKI(森正樹)氏や土屋昇平氏、元タイトーのE.G.G.ことCOSIO(小塩広和)氏らに加え、t+pazolite氏やDJ Myosuke氏らハードコアレーベル・HARDCORE TANO*C所属のメンバーによる新曲、黒魔氏やsky_delta氏らシリーズ初参戦となるネット発の気鋭のアーティストの書き下ろしなど、粒揃いの楽曲を遊ぶことができる。サウンドトラックについては、3や次作の4の楽曲も混在する形で、主にVol.1とVol.2に分かれて収録されている。
2017年11月に配信された追加曲の一つがこの曲である。フューチャーベース的ともダブコア的とも取れるようなキャッチーなチューンで、BPM206というハイペースさが特徴である。鮮やかなシンセの合間に、8~10秒頃でみられるローファイな電子音や、24~28秒でみられる流麗なピアノを織り交ぜることで、心地良く音に呑まれるような陶酔感を生む。30秒あたりから激しさが増すと、ますます圧倒されるような勢いと迫力を感じさせるようになる。速くて激しい曲調のなかに、煌びやかで気持ち良い響きがうまく組み合わさっていて、1分20秒頃のサビではどこまでも突き進んでいけるようなポジティブな疾走感を漂わせる。譜面に関しては、各所で連続で配置される16分音符がテンポの速さと相まって翻弄してくる。眩しいほど目まぐるしいメリハリに満ちた一曲である。
曲名は致死量のことですね。サビ直前の1分19秒でピアノがゴォンと低いソの音を奏でるところが特に好きです。