DOVA-SYNDROMEやニコニ・コモンズで配布されているフリー素材より、
まんぼう二等兵作曲、『Reflect』。EQUALINEなどで使われています。
ロイヤリティフリーのBGM素材サイト・まんぼう特攻隊、その管理人であるまんぼう二等兵氏は、主にテクノやドラムンベースをはじめとする激しい曲調を得意とするアーティストである。2016年頃から定期的に曲を書き下ろしていて、主たる拠点である自身のサイト以外に、大手のフリー素材サイトであるDOVA-SYNDROMEやニコニ・コモンズ、Audiostockに素材を提供している。ファイルはmp3形式で、ダウンロードの際は素材提供先でおこなう仕組みを取っている。前述の得意ジャンルのほかに、VOCALOIDを用いた歌曲や、ポップ、ロック、ファンク、それにしっとりとしたヒーリングまで各種取り揃えられている。
まんぼう特攻隊における曲説明は概ね1行でまとめられていて、使用楽器や曲調、想定されるシーンやイメージが綴られている。素材提供先のコメントではこれに加えて、テンポ（BPM）とループ時の始点・終点（秒数）が記載されている。楽曲探しの一助として検索タグが設けられていて、音楽ジャンル・雰囲気・楽器・シチュエーション別などで絞り込むことができる。なかでもこの曲『Reflect』は、「テクノ」「かっこいい」「弦楽器」「サイバー」といったタグに登録されている。そうした特徴を踏まえて、ゲームにおける使用例の一例を挙げると、丸ダイスがおくる一筆書き計算パズル・EQUALINEの最終ミッションで用いられている。同作では、3×3マスの盤面上の各パネルに数字または四則演算子が記されていて、出題されたターゲット（計算結果）に沿うように制限時間内に一筆書きでパネルを繋げて攻略していく。計算力や発想力が問われるのはもちろん、タイムアタック的な競技性があり、この曲はその最終関門を鮮やかに彩ってくれる。
曰く「電脳世界にアクセスして飛び込むような、透明感のあるテクノ」であり、「サイバーパンクのような世界観をイメージ」したというこの曲は、出だしの入り方からして没入感にあふれている。機を見計らってインパクトたっぷりに奏でられるストリングスや、涼やかに付き添うシンセ、25秒から加わる冷静で鋭利なピアノと四つ打ちのビートが印象的である。序盤から十分に疾走感に満ちた曲調だが、曲が進むにつれてますます勢いを帯びていく。綺麗で聴きやすい響きのなかに、36秒以降や1分15秒前後などでみられる、ざらっとしたグリッチノイズがうまくブレンドしていて、アートコアに通ずる心地良さがある。特に1分23秒から始まるサビは圧巻で、冴え渡る弦の音色によってうっとり聴き惚れるような響きを生む。2分10秒過ぎでサビを抜けた後も、ピアノのメロディアスな演奏のおかげで恍惚感が持続する。非常に洗練された、研ぎ澄まされた美しさを誇る一曲である。
この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。雑念をとことん払って一点集中できそうな感じですね。
