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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1336 『希望を継ぐ者 エド』(平野義人/ファミコンウォーズDS 失われた光/NDS)

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インテリジェントシステムズがおくる戦略シミュレーション・ファミコンウォーズより、

平野義人作曲、失われた光の『希望を継ぐ者 エド』。エドのテーマとして流れます。

簡素ながらウォーシミュレーションの醍醐味を押さえたファミコンウォーズシリーズのDS向け第2弾として、海外でのみ一般発売された本作。隕石による大災害で人類の9割が死滅した世界を舞台に、士官学校生の青年・エドはルベル軍第12独立中隊の一員となって各地へ救援に向かうことになる。従来のシリーズの作風から一新し、本作ではポストアポカリプスの過酷な世界観を描いている。一人用で物語を追うストーリーモード(4部構成・計26面+任意の腕試し用に38面)、最大4人までのローカル通信で100以上のマップに挑戦できるフリープレイ、Wi-Fi対戦用モード、マップを自作できるエディット等が収録されている。ユニットの生産から敵地の制圧まで、消耗品の駒を操って戦略的に進めるゲーム性はそのままに、本作では戦場を指揮するショーグンについて、一律で配備するのではなくユニットに搭乗させてその指揮範囲内を強化する形に変更された。また、作戦会議で事前に攻略のヒントやキャラ同士の寸劇をみられるようになり、丁寧なチュートリアルと相まってじっくりやり込むことができる。堅実かつ濃密な仕上がりとなっている。国内では海外から5年遅れで3DS向けにクラブニンテンドーのプラチナ会員特典として配布されたほか、一般会員向けにポイント引換で配信された(クラブニンテンドーはサービス終了済み)。

本作の音楽を担当するのは平野義人氏。インテリジェントシステムズ所属の作曲家で、現姓の関河義人名義でも知られる。ファミコンウォーズシリーズのサウンドにはゲームボーイアドバンスウォーズ2から携わっているようで、本作でも単独で作曲している。前作までは作風の違いにより剽軽なテイストが漂っていたが、本作では一転して重く暗い終末モノの雰囲気を彩るにあたって、シリアスなオーケストラやハードなロック系サウンドが揃うようになった。主要キャラにはそれぞれユニット使用時のテーマ曲があてがわれている。サウンドトラックは未発売だが、作中にサウンドテストが搭載されている。

エドのテーマとして、彼を使用する際に流れるのがこの曲である。エドは本作の主人公で、挫けない精神と正義感を持つ清く正しい青年である。窮地をブラウン隊長率いる独立中隊に救われたことをきっかけに隊の一員として戦うことになる。冒頭は重めのドラムとエレキギターを掻き鳴らして荒々しい印象を与えるが、16秒頃からストリングスの主旋律が加わると、荒さに取って代わって勇ましさが強調されるようになる。21秒の甲高い音色は、鋭く悲痛であると同時に鮮やかな響きも帯びていて、重厚な曲調のなかにしっかりと前を見据えて突き進んでいく覚悟が感じられる。35秒で弦をつま弾くプラック音が響くと、それを境にエレキギターが激しさを増し、聴いていて胸がすくような気持ち良い轟音を奏でる。51~55秒ではギターとともにシンバルが派手やかに響き、オルガンが力強く寄り添うことで、ループ前のラストスパートにふさわしい盛り上がりをみせる。厳しい戦火にあって決して折れることのない不屈の闘志を滲ませる一曲である。

この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。テーマ曲はどれも魅力的で、個人的にはこれの他にディーターの変化球っぽい曲が好みです。『不良軍人 ディーター』もあわせてどうぞ。

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