Headstrong Gamesがおくる絵画レッスン・絵心教室より、
James Hannigan作曲、『メニュー』（仮称）。タイトルおよびメニュー画面で流れます。
絵画をテーマにしたDSi専用ソフトとして同日配信で前期と後期に分かれて登場した本作。レッスン形式で講師役のビンス先生に教わりながら絵を描いていく。前期は簡単な鉛筆画から陰影や色塗りの基礎まで、入門者向けの内容の6レッスン＋3ミニレッスンが、後期は色の混ぜ方から風景画の実践まで、踏み込んだ内容の4レッスン＋4ミニレッスンが収録されている。先生のお話とお手本に倣ってタッチペンで下画面に直接描き入れていくことで、それとなく上手に見える絵を描けるようになる。使える画材は、硬度別の鉛筆と消しゴム、太さや形状の異なる絵筆、混色可能な10色の絵具で、画材ごとの描き心地や質感の違いがしっかりと作中でも反映されている。レッスンのほかに前期・後期共通で自由にお絵描きできるフリーペイントモードが収録されていて、DSiのカメラで撮影したものを読み込んで参考画像に用いることができる。アナログ寄りの雰囲気を重視するうえで、一般的なイラストツールにあるようなアンドゥ／リドゥ操作は未搭載ではあるものの、キャンバスにグリッド表示をさせたり拡大縮小できたりする便利機能は存在する。絵を描く面白さと奥深さを教えてくれる佳作に仕上がっている。後に一本にまとめたパッケージ版がDSに登場した。
本作の音楽を担当するのはJames Hannigan氏。イギリス出身の作曲家で、オーディオドラマの劇伴作曲や海外産のゲーム音楽を多く担当している（なお、本作は開発元がイギリスの会社で、欧米先行で配信されてから日本国内向けにローカライズされたタイトルであるため、海外産のゲーム音楽の範疇に含まれる）。本作ではじっくりキャンバスに向き合ってお絵描きするのにぴったりな、穏やかなクラシックギター系のサウンドを中心に取り揃えられている。例えるならギターのエチュード集のような雰囲気で、癖がなく耳当たりの良い音色を堪能することができる。サウンドトラックは未発売のため、曲名は仮称とする。
タイトルおよびメニュー画面で流れるのがこの曲である。弾んだ調子で奏でられる柔らかなギターに、6秒頃から優しく豊かなハーモニカの旋律がさりげない音量で添えられることで、とても心休まる響きを生み出す。その癒しの曲調を通じて、本格的でも懇切丁寧に教えてくれる、堅苦しさも小難しさもない楽しいレッスンにいざ挑戦してみようという気持ちを快く後押ししてくれる。ギターの音色が隙間なく敷き詰められることで、音を耳で追いやすく曲の流れに付いていきやすい印象を与える。22秒からストリングスが徐々に目立ち始め、42秒で顕著な出番が設けられるが、その後しばらくは控えめな伴奏に回る。ループ直前のラストフレーズとなる1分14～19秒では、ギター、ストリングス、リードが綺麗に響き合って素敵なフィナーレを迎える。温もりと喜びに満ちた一曲である。
絵心教室といえば、3DSの新絵心教室のほうだと思いますが、以前のプロフィール画像がそれで描いたものでした。あの白いティーカップのやつです。ちなみにこの曲は新絵心教室でも使われていて、小編成の室内管弦楽風のアレンジが施されています。あわせてどうぞ。
