ウエップシステムがおくるスノボゲーム・クールボーダーズより、
嶋村泰周作曲、2の『Go Teke Go』。BOARD PARKで流れます。
スノーボードを題材とするクールボーダーズシリーズの2作目にあたる本作。技を競うワンメイクジャンプと、8人のボーダーたちが速さを競うエクストリーマークロス、二つの競技を組み合わせた複合レース・SBC(スノーボーディングコンバインド)で優勝を目指すことになる。前作はトリックの要素を含みつつもレースに焦点を当てた内容だったのに対し、本作ではモードを拡張してゲーム性を強化し、トリックを決める快感が強調されている。モードはメインのSBC、技の大きさや着地の美しさなど総合的な技術を競うHALF PIPE、エアーでのトリックに絞ったONE MAKE JUMP、2人プレイ可能でレースできるFREE RIDE、練習用のBOARD PARKが収録されている。なかでもHALF PIPEは本作の新要素で、ゴールまでの道のりでいかに大胆かつ正確にトリックを出せるかが肝となる。また、ONE MAKE JUMPには上級者向けに制限時間内に指定のトリックを次々と決めていくTRICK MASTER MODEがある。はじめはトリックを出すためのコマンドを教えてくれるが、次第にトリック名のみになって熟練度を問われるようになる。各ボタンの割り当ては左右の手やボードの両エッジに対応しているため、単に操作を暗記するだけでなく技の性質を理解してコマンドを導き出す駆け引きが含まれる。総じて奥深く刺激的なスノボ体験を味わえる仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは嶋村泰周氏と南波敦典氏。当時ウエップシステムに所属していた作曲家である。前作は鈴木雅紀氏が作曲を手がけていたが、本作では新たに両名を迎え、以降のシリーズでもスピンオフを中心にいくつか携わることになる(ナンバリング3作目以降は開発が海外に移ったため未参加)。このうち嶋村氏の担当分は1曲のみで、他はすべて南波氏が作曲しているようである。本作の音楽の方向性は前作同様、ギターを用いたメロコアを中心に据えているが、よりジャンルの幅を広げてスラッシュメタルやトランス系のエキサイティングなナンバーもみられるようになった。作中の一部のモードではコース内で流す曲を自分好みに変えることができる。サウンドトラックにはボーナストラック付きで収録されている。
BOARD PARKで流れるのがこの曲である。前述の通りBOARD PARKは練習用のモードであり、ジャンプ台をはじめとする様々な設置物が置かれた広大なゲレンデで自由に滑走することができる。好みに応じて操作方法を表示することも可能で、基本操作に慣れたり、身に着けた実力を試したりするのに最適である。練習気分を盛り上げるにあたって、この曲はテケテケ鳴るギターが気持ち良いサーフロックに仕上がっている。同じボードスポーツでもあえてサーフィンを連想させる陽気な曲調にすることで、雪山の寒さや厳しさに尻込みすることなく気楽に練習できる空気感を醸し出している。13秒以降のメインフレーズでは、明るく和やかに演奏するギターにうねりの効いた電子オルガンや軽快なドラムビートが絡み合うことで、適度なリラックス感とグルーヴ感とスピード感を漂わせる。37~38秒で一旦ギターが荒ぶった後、間を置いて58秒から再び即興風の荒ぶりをみせ、さらに1分11秒以降で一際甲高く掻き鳴らされる流れはとても清々しい。その後1分24秒から聴き覚えのあるフレーズに戻り、2分16秒で一気にイントロに帰ったかと思いきや、2分22秒から新パートに突入する。とりわけ2分48秒以降でギターとドラムが意気揚々と疾駆するくだりは気持ち良い。気付けばすっかりのめり込んで没頭している感覚が音を通じて伝わってくる一曲である。
このテケテケチキチキ感が好きです。