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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1132 『ラストバトル』(小林浩治・馬場雄一・水口拓朗/燐光のランツェ/3DS)

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AMZYがおくるドッグファイトアクション・燐光のランツェより、

小林浩治・馬場雄一・水口拓朗作曲、『ラストバトル』(仮称)。

ラストバトルで流れます。

3DSのダウンロード専用タイトルとして登場した本作。国家という概念が形骸化した世界を舞台に、ルフトシュトロームとノルト・リヒトの二つの共同体がしのぎを削るなか、自ら志願してルフトの新型決戦兵器に改造された少女・アインスが戦場の空を舞うことになる。美少女とメカとフライトシューティングを組み合わせた作風が特徴で、移動や射撃に適した飛行形態と、素早い動きで近接戦闘に適した格闘形態を使い分けてミッションを進めていく。操作はやや癖があるが慣れれば爽快に立ち回れるようになる仕組みで、全体的に被弾時のダメージが重いことも相まって緊張感のあるゲームバランスを誇る。自機のカスタマイズ要素やステージの分岐による周回要素、プレイに応じた称号を獲得できるやり込み要素も含まれている。手頃な価格で骨太な空中戦を楽しめる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは小林浩治氏、馬場雄一氏、水口拓朗氏。馬場氏と水口氏は当時、小林氏は現在も音楽制作会社MUSICWORXに所属する作曲家である(小林氏は同社の代表を務める)。なお、スタッフロールでは作曲も効果音制作も同一の欄にまとめられているため、うち何名が実際の作曲に携わったかは判然としない。本作では激戦の空を表現するにあたって、シンセやピアノ、エレキギターを用いた鮮やかなテクノやトランス系の楽曲が揃っている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

MISSION 16後半のラストバトルで流れるのがこの曲である。ライバルキャラとして何度も交戦してきたノルトの少女兵器・ラーテイルとの最期の一騎打ちを、通常ミッションで流れる曲(以下、汎用曲と表記する)+これまでのラーテイル戦で流れていた曲(以下、テーマ曲と表記する)のダブルアレンジで刺激的に彩る。冒頭からしばらくは汎用曲でみられたリズムパターンを繰り返し、12秒以降はエレキギターを掻き鳴らして徐々に激しさを増していく。24秒でふと音が止まって幻想的なコーラスが入ると、続いてテーマ曲でおなじみの旋律が紡がれる。基本的な旋律や楽器構成はテーマ曲と似ているが、音の厚みや圧迫感に磨きがかかっていて、最終決戦らしい不退転の姿勢を感じさせる。1分3秒からはギターの、1分40秒からはシンセの大きな見せ場が待ち構え、1分53秒で不意に勢いを遮られるまで切なくも荒々しく疾走する。その後まもなくループに至り、冒頭のフレーズに戻って再始動する。ラストバトルの痺れるような昂揚感を見事に表現し切った一曲である。

血が滾る格好良さですね。ループ直前の乱暴なギターが大好きです。汎用曲とテーマ曲もあわせてどうぞ。

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