ニンジャスタジオがおくるダンジョンRPG・降魔霊符伝イヅナより、
奥佳輔作曲、2の『赫灼たる昇天』。ヒルメの塔の後半で流れます。
※単曲動画が見つからないため、17分延長版ですが、2ループで止めてます
キュートなくノ一を主人公とするローグライクなダンジョンRPG・降魔霊符伝イヅナの続編にあたる本作。放浪の身であるイヅナと姉貴分のシノは、立ち寄った町で食べた西洋帰りのメイドの料理が、シノの生き別れの妹・シズネのつくる味だと気付き、メイドことシズネの行方を追って冒険することになる。美少女×和風×ローグライクというコンセプトと基本的なゲーム性はそのままに、本作ではイヅナのみならず準主人公のシノ、それに前作の荒神や村人に至るまで計15人が操作可能となった。ダンジョン攻略は二人一組で適宜交代しながら進めるタッグ制になり、キャラごとの性能差に加え、タッグの組み方次第で相性や使える合体技が異なる。他にも目新しい点として、和風の世界観だが新たに西洋の神々を交えた多彩な登場人物たち、武具の種類の増加、収集兼お楽しみ要素として作中で撮影できるシステムの追加などが挙げられる。バグの問題やところどころシビアな設計になっている箇所はあるものの、全体的に前作から順当にボリュームと遊び応えが増した仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは奥佳輔氏。フリーランスの作曲家で、現姓の楠田佳輔名義でも知られる。降魔霊符伝イヅナシリーズには前作から引き続き単独で携わっているほか、ニンジャスタジオ製の作品には本シリーズの源流とも言えるモバイルアプリの封神霊符シリーズなどでの作曲経験がある。本作の音楽は前作同様、ベースとビートをはっきり刻んでリズム感を整え、その上に和楽器やシンセを散りばめる、という堅実なつくりの楽曲が取り揃えられている。サウンドトラックについては、音質調整を施したうえで前作とセットで2枚組で収録されたものが存在する。
ヒルメの塔の後半11F以降で流れるのがこの曲である。物語後半から終盤に差し掛かる頃に訪れるダンジョンである。元は放置された見張りの塔だったものが敵勢力に改造されたのか内部には黄金色の装飾が目立ち、ヒルメ(天照大神の別名)の代わりに西洋の太陽神が待ち受ける。手始めに鼓とベースを組み合わせて適度に心地良く適度に焦燥を誘うような伴奏を奏で、そこに13秒からストリングス、19秒から三味線が相次いで加わることで徐々に勢いづく。メインフレーズの前半30秒間(21~51秒)は洋の弦が主役を担うが、後半30秒間(52秒~1分22秒)は和の弦が主役を担い、双方を繰り返すことで相即不離、表裏一体の盛り上がりをみせる。旋律そのものがキャッチーであることに加えて、楽器の使いどころや尺をバランスよく見定めることで、とても聴きやすく曲の流れに乗りやすい印象を与えてくれる。クライマックスが近付く状況にふさわしい輝かしい迫力を持つ一曲である。
カクシャクたるショウテン……高確率で噛みそうな曲名ですね。ちなみに上の動画はインゲーム音源の延長版で曲冒頭がちょっと途切れてしまってますね。サントラ音源もあわせてどうぞ。