任天堂とシンソフィアがおくるよくばりファッションゲーム・ガールズモードより、
伊藤明日香・椎葉大翼・須戸敏之作曲、よくばり宣言の『展示会』（仮称）。
展示会で流れます。
ファッションコーディネートをテーマにしたガールズモードシリーズの2作目にあたる本作。セレクトショップを舞台に、初めは店員として、ゆくゆくは店長となって人気ショップを目指すことになる。前作同様、商品の買い付け、客の要望に沿ったコーデの提案と販売、コンテストへの出場、プレイヤー自身の着せ替えやマイルームの模様替えなど、様々な切り口からカジュアルな経営シム＆ファッション体験を味わうことができる。前作では16ブランド・約10,000点収録されていたファッションアイテムは、本作では21ブランド・約12,000点に増え、特にバッグをフィーチャーしたりメンズファッションにもリーチしたりするようになった。王道のガーリー系からギャル系、ロリータ系、スポーティ、セレブ風、民族衣装風に至るまで、3DSの立体視に対応する形で多彩なコーデを楽しめる。プレイヤー自身の着せ替えでは、前作に引き続き服のみならず髪型やメイクを整えることが可能で、自分好みのオシャレを追求することができる。前作から正統に強化されてコーデの幅が広まった仕上がりとなっている。後に追加要素を加えたトキメキUP!が発売され、本作を持っている場合は無償アップグレードされた。
本作の音楽を担当するのは伊藤明日香氏、椎葉大翼氏、須戸敏之氏。伊藤氏と椎葉氏は当時、須戸氏は現在も任天堂に所属する作曲家である。前作はフリーランスの本山淳弘氏が単独で作曲を手がけていたが、本作と次作では任天堂所属のメンバーが担当している。本シリーズは作曲陣が頻繁に入れ替わっているが、須戸氏は本作と次作で2作続けて携わっている。本作では聴いていてウキウキするようなポップでスタイリッシュなサウンドを中心に取り揃えられていて、同じ曲でもコーデの段階（インナー、アウターなどセクションごと）によって楽器が変わったり、昼夜によってアレンジが変わったりする。また、店内BGMを設定する要素も健在で、曲数は前作より削減されたがAiry（ボサノヴァ風）・Groovy（ジャズファンク風）・Lounge（モダン＆エレガント系）から選ぶことができる。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。
展示会で流れるのがこの曲である。展示会では季節や日ごとに更新されるラインナップから商品を買い付けることができ、プレイヤーはその場でマネキンにコーデして仕入れるかどうか決めることになる。ファッションセンスを問われる試練の場であると同時に、コーデを存分に満喫できる空間を彩るにあたって、まずは渋く鋭いピアノで適度な緊張感を漂わせる。6秒頃からパーカッションが加わって臨戦態勢を整えていくが、主旋律が入る10秒以降ではテンションを発散させ、フルートを軸とした陽気なボサへと様変わりする。フルートが奏でる愉快な調べと、リズミカルに刻まれるピアノやパーカッション、トライアングルの金属音が、何とも瑞々しくて小粋な印象を生み出す。32秒からはしゃっくりにも似たクイーカの摩擦音が聴こえるようになり、休符を駆使した低音のピアノフレーズと組み合わせることで、おどけた雰囲気を出しつつも瀟洒な印象を与える。41秒でピアノのグリッサンドが綺麗に決まると、その直後にスキャットが加わり、さらに53秒からはブラスを交えて盛り上げていく。ブラス→クイーカ＆フルートの軽快な演奏→再びブラス→再びクイーカ＆フルートと繰り返した後、ようやく1分16秒でサビに入り、すべての楽器が一堂に会して新鮮なアンサンブルを披露する。聴けば聴くほど気分が乗って心がときめく一曲である。
この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。初めは緊張感をもって、途中から肩肘張らずに聴き浸れるのが良いですね。
