VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1374 『THE CHANNEL』(AI AI/海底大戦争/AC)

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アイレムがおくるシューティング・海底大戦争より、

AI AI作曲、『THE CHANNEL』。2面で流れます。

R-TYPEシリーズで知られるアイレム製のアーケード用シューティングとして登場した本作。かつて陸地を水没させて甚大な被害をもたらした組織・D.A.S.が復活したことを受け、国際海洋警備隊の新型潜水艇・グランビア号が緊急出動することになる。全6面構成、2P同時プレイに対応した任意スクロール型シューティングで、自機が潜水艇で水中を舞台とする点が特徴である。操作体系は8方向レバー+2ボタン制、前方に攻撃できる魚雷と、上下に攻撃できるミサイルと爆雷を使い分けながら進めていく。各種アイテムを取得すると、魚雷は超音波やクラッカーなど3種の派生武装に変化し、ミサイルは自機が水中なら垂直に/水面に浮上しているなら対空追跡性能付きで発射され、爆雷は水中なら浮遊機雷に/水面上なら機銃へと切り替わる。ステージによって水流に押される、凍らされる、水深が浅くて移動が制限される、逆に水深の深いところで下から迫る敵に追われるなど、自機が潜水艇である点を活かした仕掛けが多く用意されている。こうしたステージ群を彩る精緻なドット絵と豪快な破壊描写が大きな魅力で、細かく激しく動くさまは芸術的である。総じて色褪せない迫力を持つ仕上がりとなっている。後にPS、セガサターン、PCに移植されたほか、アーケードアーカイブスの一環としてスイッチとPS4にも配信された。

本作の音楽を担当するのはAI AI氏。情報がすくなく素性は判然としないが、本作以前にもAIAI名義でR-TYPE LEOのサウンドを担当したことがある。本作では驚異的に見映えのするグラフィックに負けじと、音楽面でも主張が強く聴き応えのするメタリックな楽曲が揃っている。爆発音を彷彿させるノイズやオーケストラヒットを取り入れて圧迫感のある雰囲気を生み出している。サウンドトラックについては、アイレムレトロミュージックコレクションのなかに本作の楽曲が含まれる。

STAGE 2「THE CHANNEL」で流れるのがこの曲である。臨海の工場地帯で、ここはとりわけ水深が浅く自機は身動きが取りづらいが、敵は容赦なく水上からも水中からも攻撃してくる。巨大な戦艦、爆撃機、ブルドーザー、しまいには爆発性の貨物を落とす列車まで現れる。冒頭8秒ほどで勢いを蓄えつつリズム感を整え、イントロ明け9秒から鋭く痺れるような旋律が加わると、感電してしまいそうなほどのエネルギーを充満させる。小節の頭に破裂音のごとき象徴的な音色を置いて、9秒、11秒、とんで14秒、次は16秒、18秒、とんで21秒、とフレーズごとにリズミカルに繰り返すことで、矢継ぎ早に雷に打たれ続けるような新鮮で痛烈なインパクトをもたらす。特筆すべきはループの繋ぎ目となる48~55秒のパートで、執拗に大仰な音色を鳴らす傍ら、低音のほうでジャラジャラと金属質のベースが奏でられ、単なる繋ぎに留まらない存在感を放っている。強圧的な曲調である同時に抑え切れない衝撃がある一曲である。

道中曲よりもボス戦系のノリですね。作中の絵と破壊の効果音と組み合わさったときに真価を発揮するような印象です。