アルファシステムがおくるシューティング・シスターズロワイヤルより、
中島広太作曲、『Flame cemetery』。1面で流れます。
※単曲動画が見つからないため、30分延長版ですが、2ループで止めてます
式神の城で知られるアルファ・システムの新作シューティングとして登場した本作。魔王によって脅かされるプルティマ大陸を舞台に、超がつくほど仲が悪い5姉妹が、共通の想い人をめぐって壮絶な争奪戦を繰り広げることになる。全5面＋ボスから成る縦スクロール型の弾幕シューティングで、性能が異なる5人のなかから自機を選び、残りの4姉妹と戦っていく。長女は女王様気質、次女はほんわか毒舌、三女はボーイッシュなど、キャラごとにはっきりと萌え属性が付されていて、ボイスなしではあるもののハチャメチャな掛け合いを楽しむことができる。ショットは通常攻撃・ボム・召喚（キャラ固有の特殊攻撃）の3種類で、自機が敵機や敵弾に近いほどスコアとコインに倍率がかかるテンションボーナス、同じく距離に応じて通常攻撃が強化されるパワーショットなど、式神の城ライクなシステムが搭載されている。難易度は3段階で比較的緩め、コンパクトなボリュームでしっかり遊び甲斐のある仕上がりとなっている。後にPS4、XboxOne、Steamに移植された。
本作の音楽を担当するのは中島広太氏と安田拓也氏。いずれもアルファ・システム所属の作曲家である。本作と関わりの深い式神の城シリーズを引き合いに出すと、中島氏は3と七夜月幻想曲、安田氏は七夜月幻想曲での作曲経験がある。本作ではコミカルでアグレッシブな作風にあわせて、ノリの良いテクノやジャズを中心とした躍動的なサウンドが取り揃えられている。サウンドトラックは各種デジタルストアで配信されているほか、PS4のパッケージ版特典として付属されている。
1面「炎の墓地」で流れるのがこの曲である。読んで字のごとく炎をモチーフにした墓地ステージで、奥部には炎を操る長女・ソナイが待ち受ける（自機がソナイの場合は、良心という名の自分の分身と対峙する）。墓地といって連想される静けさや薄気味悪さとは無縁な、非常にリズミカルなエレクトロ・スウィング系の曲調が特徴である。ハイペースで押し寄せるビートに、ラッパの鋭く華やかな音色が絡み合うことで、心躍るユーモラスな勢いを感じさせる。6～11秒や25～36秒などで鳴る主旋律は、あえてややローファイ風味な響きを帯びていて、ヴィンテージ感のある独特な雰囲気を醸し出している。基本的には終始ノリノリだが、1分26秒でぐっとトーンダウンし、そこから徐々に盛り上がっていくことで、ループ後も再度新鮮な心持ちで聴き続けられるような気分にさせてくれる。開始早々の1面にして本作の弾けたノリを強く印象付ける一曲である。
墓地らしからぬ曲調で死霊も小躍りしそうな感じですが、まさにそれが良いですね。同じく中島さんの作曲で5面の『Light church』も好みです。あわせてどうぞ。
