VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1455 『Lividi』(Feryquitous/maimai MURASAKi/AC)

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セガがおくる音楽ゲーム・maimaiより、

Feryquitous作曲、MURASAKiの『Lividi』。チャレンジトラックの課題曲の一つ。

ドラム式洗濯機のような筐体が印象的なmaimaiシリーズの5作目にあたる本作。宴をテーマにしたデザインを前面に押し出していて、その最たる例として宴会場という新たなカテゴリが追加された。宴会場では面白譜面やお蔵入り譜面など独自色の強いものが多数収録されていて、トータルハイスコアやレーティングに影響せずに気軽かつ全力で楽しむことができる。また、二人以上で遊ぶ際にFEVERという判定が加わり、MISS以外のコンボ数が合算して表示されるようになった。さらにLIFE制で挑戦できるチャレンジトラックの仕様が微調整され、LIFE上限が緩和された点と解禁周期が速まった点が特徴として挙げられる。そのほか、難易度の細分化、録画時の撮り直し機能の追加、一部譜面の解禁条件の変更など、各種調整が施されている。新装開宴という謳い文句に見合った仕上がりとなっている。後にアッパーバージョンのPLUSが登場した。

本作では最終的に約60曲の新曲と、宴会場カテゴリで約20譜面分が収録された。アニメ系やニコニコ動画との連携曲などサブカルチャー寄りのラインナップが厚く、なかでも本作オリジナルは18曲ほど用意されている。ボス枠に該当するチャレンジトラックはすべてオリジナルで、cybermiso氏やルゼ氏といったBMS系の作家や、音楽レーベル・Diverse System所属のFeryquitous氏らが書き下ろしている。Feryquitous氏はアートコアを得意とするサウンドクリエイターで、造語歌詞を用いた作風で知られる。サウンドトラックについては、初代からFiNALEまでのオリジナル曲を幅広く網羅したALL PERFECT COLLECTiONのなかに本作の楽曲も含まれる。

4期目のチャレンジトラックとして2017年3月に追加されたのがこの曲である。繊細なピアノイントロから始まり、6秒で一気に勢いをつけると瞬く間に高純度なドラムンベースへと変貌する。17秒から本格的にアグレッシブなビートとエモーショナルなメロディーが絡み合うようになり、心を鷲掴みにされてそのまま引っ張られるような強い引力を感じさせる。37秒でストリングスが入ると、そのエレガントでバイタリティのある音色でさらなる躍動感を漂わせるようになる。1分頃になると非常に鮮やかで精彩に富んだ盛り上がりをみせるが、まだ本領を発揮しているわけではない。作曲家本人が歌う造語ボーカルが加わる1分17秒からが本番で、鷲掴みにされて引っ張られたうえに激しく揺さぶってくるような驚異的な印象を与える。思わず茫然と聴き惚れてしまうほど見事な一曲である。なお、譜面に関しては淀みなくリズミカルに押し寄せるなかでも、ボーカルが載ってからのBREAKノーツの大量発生が特徴的である。

すごく圧倒されますね。ちなみに歌詞は作曲家ご本人が訳付きで公開していますが、それによると曲名の意味は「執念」のようです。