石崎正人作曲、『BOSS THEME』。ボス戦で流れます。
アイレムの代表作にあたる本作。憎悪と殺戮と異形生物が蔓延るバイド帝国を打ち砕くべく、フォースと呼ばれる不死身の兵器を搭載した戦闘機・R-9が出撃することになる。全8面×2周構成で残機制の横スクロールシューティングで、SFの硬派さと異次元の生々しさが融合した独自のデザインセンスと、溜め撃ちの概念や無敵の子機の存在をフィーチャーした画期的なシステムが特徴である。操作体系は8方向レバー+2ボタン(ショットボタンとフォースボタン)から成り、ショットボタンは長押しでゲージを溜めれば貫通性能ありの強力な波動砲を放つことができる。フォースは完全無敵・着脱可能・攻防一体の素晴らしい兵器で、各種アイテムをパワーアップユニットを入手することで3種類の攻撃手段と3段階の強化を得られる。敵を攻撃してくれたり自機を守ってくれたりと非常に有能な代物だが、その分だけステージのつくりや敵の配置が凝っていて、攻略パターンを把握してフォースを有効活用しながら適切に対処する必要がある。全編通して高い完成度で当時としては斬新なアイデアが凝縮された傑作に仕上がっている。
本作の音楽を担当するのは石崎正人氏。当時アイレムに所属していた作曲家で、SCLAP名義で活動していた。R-TYPEシリーズには後にも先にも本作のみの参加だが、本作では作曲と効果音を単独で手がけている。氏にとって本作は初めてFM音源を使った作品であり制作時は手探りだったようだが、各ステージの特色を反映した楽曲が揃っている。1ステージ通しで巨大なボスと戦い続けたり、狭い輸送路を掻い潜ったりするなど、本作のステージ群は演出面で印象に残るものが多く、そのインパクトをうまく捉えた実験的なサウンドが用意されている。また、どの曲にもドラム音が一切ないことが特徴として挙げられるが、曰くこれは氏がFM音源に不慣れで鳴らし方が分からなかったためだそうである。それがかえってストイックで味わい深い聴き心地を生み出している。サウンドトラックは機種別や他作品とのコンピレーション等で複数種類存在し、曲名の表記に揺れがあるが、ここでは後年で英語表記に統一された形式に倣うものとする。
ラスボス戦含むボス戦で流れるのがこの曲である。冒頭4秒間のイントロで自在に音階を駆け巡り、緊張と興奮が綯い交ぜになったような感覚で未知なるものとの遭遇を印象付ける。5秒からメインフレーズが始動すると、中音域で牽引する主旋律に、低く唸るベースラインと、さながらアラームのように鋭く響く高音パートが巧みに絡み合う。11秒でアラームの代わりに高速で這い回るフレーズが聴こえるようになり、何かおぞましいものが急接近してきそうな並々ならぬ不安感を煽る。早くも17秒過ぎには1ループが終結するが、繰り返しを経るたびに不安感が増大し、ますます音が耳にこびりついていく。じかに神経に訴えかけてくるような一曲である。
不穏だけどやけにハイな響きがあるのが絶妙に良いですね。移植は多岐にわたるので音源違いで多数ありますが、原曲が好きです。