ビーワークスがおくるおさわりアドベンチャー・おさわり探偵より、
たさきとしこ作曲、『エンディング「おさわり探偵誕生日」』。エンディングで流れます。
新米探偵と助手のなめこの活躍を描くおさわり探偵シリーズの1作目にあたる本作。父の跡を継いで探偵になったばかりの内気な少女・小沢里奈は、助手のなめことともに巷で起きるおかしな事件に挑むことになる。近代英国風のメルヘンチックでシニカルな世界観とキャラデザインが特徴的な、全4話構成のポイントアンドクリック系アドベンチャーである。おさわりと銘打つ通り、DSのタッチペン操作を主軸に据えていて、直感的に気になるところを調べたり対象人物に聞き込みをしたりすることができる。探偵といっても推理要素は控えめで、事件の内容も夢が盗まれたり妖精が困っていたりとファンシーなものばかりであるため、謎解きはロジックよりも不条理寄りなとんちを重視している。全体的に謎に心地良いニッチ加減があり、ボリューム感やゲーム性は希薄ながらも奇妙な深みのある仕上がりとなっている。後にアプリに移植された。
本作の音楽を担当するのはたさきとしこ氏。当時フリーランスだった作曲家である。漢字表記の田崎寿子名義のほうがよく知られるが、おさわり探偵シリーズにはひらがな名義で参加していて、本作以降シリーズサウンドの生みの親として連綿と携わっている。本作では童話のような雰囲気に合わせてアコースティック調のチャーミングな楽曲が多いが、探偵ものらしいお洒落なジャズやブルース、独特な翳のある作風を反映したゴシック風のものなども含まれる。また、作中にはサウンドテスト機能が存在する。サウンドトラックはボーカル曲やボーナストラック付きで収録されている。
エンディングで流れるのがこの曲である。紆余曲折あって締まるようで締まらない結末に対し、思い切りノリの良いラテン音楽のサルサのような曲調をあてがうことで、喜劇のオチを思わせるドタバタでハッピーな印象を与える。弾けるようなオーケストラヒットに、陽気なピアノ、リズミカルなアゴゴベルやドラムを組み合わせて、冒頭から遊び心たっぷりなムードを形成する。7秒からメインフレーズが入ると、相変わらずユーモラスだけどちょっぴりペーソスのあるメロディーを奏でて、物語の終わりを彩るにふさわしい後味を残す。ブラスの華やかな音色に加えて、24秒からはオルガンやハーモニカ、マリンバと思しき音色も交えて、メリハリ豊かな展開をみせる。52~56秒でにわかに盛り上がっていき、ここからさらにサビに繋がるかと思いきや、ループに入って8秒からのメインフレーズを繰り返すようになる。滑稽で軽快な一曲である。
見つからなかったので上の動画はループ非対応でぶつ切りになってますが、そこはまあ想像で補いましょう。