サクセスがおくるシューティング・サイヴァリアより、
MR2151作曲、初代の『City』。AREA 3-Aで流れます。
自機を敵弾にかすらせてパワーアップするBUZZシステムが特徴のサイヴァリアシリーズの1作目にあたる本作。霊子力学の研究が発達し人類が宇宙進出を果たした時代を舞台に、その危険性ゆえにコールドスリープに処されていた霊子能力者のサイヴァリアたちの一団・μ(ミディアムユニット)は、暴走する知能組織・GUISに対抗する切り札として眠りから解き放たれて出撃することになる。全6面構成、自機のパワーアップレベルに応じて難易度選択を兼ねたステージ分岐が設けられるタイプの縦スクロールシューティングで、あえて敵弾に接近してギリギリで避けることをゲーム性の軸としている。操作体系は8方向レバー+ショットとボンバーの2ボタンのみ、オーソドックスな残機制で2Pプレイに対応している。高純度なSFの世界観、幾何学模様の弾幕、危険行為推奨のスリルとリターンが魅力的で、立ち回り次第で避けてパワーアップして無敵時間を活用してさらに避けて無敵の連鎖を生み出せる。総じて独自の陶酔感が味わえる仕上がりとなっている。後にマイナーチェンジ版のリビジョンが登場したほか、PS2に移植され、スイッチとPS4向けにリマスターされた。
本作の音楽を担当するのはMISAKO ADJUMY SEKIGUCHI(関口美佐子)氏、MR2151氏、WASi303(佐藤哲郎)氏。1曲のみだがORE808(江川野誉至)氏も作曲している。このうち効果音制作を兼任しているWASi303氏がメインで担当していて以降のシリーズでも連綿と携わっている。MR2151氏は作曲の他に本作のエネミープログラムを手がけていて、担当の曲数はややすくなめに抑えられている。本作の音楽はシンセやピアノを綺麗に絡め合わせたトランスやドラムンベース系のドライブ感のある楽曲が揃っていて、曲を通じてゲーム体験の気持ち良さを高めてくれる。サウンドトラックは複数種類あり、通常盤やリミックス盤、シリーズのデジタルリマスター盤などが存在する。
AREA 3-Aで流れるのがこの曲である。3面のステージ分岐のなかの簡単なほうのステージで、さながら衛星写真の夜景のようなビジュアルで猛スピードで都市上空を駆け抜けていく。イントロから余さず全力全開の勢いで鮮烈なアルペジオを披露し、一気に神経が研ぎ澄まされていく。12秒頃でアルペジオが途絶えるとしばらくストイックなリズムを刻み、再び19秒から合流すると華やかさを取り戻しつつも粘り強く盤石な響きを保つ。見せどころは44秒から、オルガンと鐘と思しき音色の組み合わせで荘厳なフレーズを奏でるくだりで、51秒以降で伴奏が本格的に追随する際には大胆なエフェクトを交えて稀有な盛り上がりをみせる。そのまま隙のない曲展開で1分10秒にはループに入る。鼓動が高鳴り、昂ぶり、卓越した爽快感をもたらす一曲である。
普段の作業中にはゲーム音楽はあまり聴かないんですが、締め切りに追われているときとかラストスパートが必要なときにはサイヴァリアのサントラをかけています。オリジナル音源はもちろん、WASi303さんのDCSG/PCE/MD音源アレンジ盤は最高に原動力になります。