VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#970 『LET'S GET KINETIC AND FRENETIC!』(WASi303/アカとブルー/iOS・And)

www.youtube.com

タノシマスがおくる縦スクロールシューティング・アカとブルーより、

WASi303作曲、『LET'S GET KINETIC AND FRENETIC!』。3面で流れます。

ケイブの元スタッフが立ち上げた株式会社タノシマスのデビュー作にあたる本作。激しい戦争が続くなか、駆り出された戦場であえなく撃墜された新人パイロットの少女・ブルーは、退役軍人の男・アカに介抱されて一命をとりとめ、適合者しか起動できない特殊な飛翔機に二人とも適合できたことを受け、たった二機で反撃に出ることになる。全5面から成る高密度かつ高難度の弾幕シューティングで、無線を通じてキャラ同士がボイス付きで掛け合う、さながらロボットアニメのような熱いストーリーが特徴である。攻撃の種類はショットとボムのみのシンプルな構成で、直感的な操作性のもと、ボムで弾幕をかき消す爽快感を追求したつくりとなっている。スマホらしい手触りの良さで本格的なシューティングを楽しめる意欲作に仕上がっている。後にアーケードに移植された。

本作の音楽を担当するのはWASi303(佐藤哲郎)氏。当時サクセスに所属していた作曲家である。サイヴァリアシリーズをはじめ、ケイブ製の作品ではケツイのアレンジアルバムやむちむちポークXbox360版の追加曲の作曲などに携わった経験がある。本作では作曲に加えて一部の楽曲でIkedaminorock氏(高田馬場ゲーセンミカドの店長)とともにギター演奏も手がけている。本作の楽曲はいずれもエレキギターで魅せる情熱的なロックナンバーで統一されている。サウンドトラックは作曲初期のプロトタイプ音源などのボーナストラックも含めて収録されているほか、DCSG音源のアレンジアルバムも存在する。

3面で流れるのがこの曲である。ちょうど折り返し地点、このあたりから難易度がぐんと上昇するが、その熾烈さに見合った激しく勇ましいギターサウンドが紡がれる。はじめはギター主体、38秒からはストリングスやピアノが中心となって爽やかな盛り上がりを見せると、1分で再びギターが主役に舞い戻って迸るような轟音を響かせる。特に1分22秒から高速で音程を上下して躍動感あふれるフレーズを奏でると、その勢いを殺すことなくすこしの間奏を経てループへと突入する。最初から最後まで熱狂的なノリを誇る一曲である。

kineticは動的、freneticは半狂乱、みたいな意味で、韻も踏んでますし曲名からも勢いが感じられますね。