VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#284 『THE WAY OF ALL FLESH』(ひらにょん/HellSinker./PC)

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同人サークルRUMINANT'S WHIMPERがおくる縦スクロールシューティング・

HellSinker.より、ひらにょん作曲、『THE WAY OF ALL FLESH』(仮称)。

クリア後のEXステージ「万人の途」で流れます。

らじおぞんでで知られるひらにょん氏の新作として2007年に登場した本作。マニュアルの難解さやゲームシステムの複雑さ、世界観の奥深さは相変わらずだが、その不可解なまでのとっつきにくさを克服した暁には本作の面白さが分かるようになる。弾幕が織り成す芸術的なアートワークや、良好なゲームバランス、全体的に癖が強いながらもシューティングゲームとして極めて堅実な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはひらにょん氏。RANYONやTONNORといった別名義を持つ、RUMINANT'S WHIMPER(個人サークル)の主宰者である。氏は音楽に限らず本作のシナリオ、グラフィック、プログラムなど、ほぼすべてを単独で製作している。そのため、本作に収録されている楽曲はいずれも氏の思い描いた世界をまるごと体現したものとなっていて、曲尺もステージの長さにだいたい一致している。曲名は一部不確定だったり未判明するため、ここでは便宜上の仮称を用いる。

本編クリア後に追加される二つのEXTRAステージのうち、「万人の途」と呼ばれる二番目の面で流れるのがこの曲である。婉曲表現で死を意味するステージ名にふさわしく、焦燥感を滲ませた音使いが続く長いイントロの後に奏でられるのは、とことんまで冷静さを保ちながらも、覆い切れぬほどの熾烈さが見え隠れするメロディである。主旋律のストリングスが入るまで実に4分以上かかり、すでに最大限にまで高められたはずの緊張をさらに煽るかのごとく、悲痛な音色を目一杯轟き渡らせることで、終焉を間近に控えた酣の時を苛烈に彩ってくれる。

バトラーの同名の自叙伝は関係ない……かな。溜めに溜めた挙句、曲の後半で新たなトラックを挿入するというのは良いですね。否応なしに盛り上がります。