VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#371 『Fall Into Place』(Adrian Talens/Poly Bridge/PC)

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Dry Cactusが手がけるインディー橋建設シミュレーター・Poly Bridgeより、

Adrian Talens作曲、『Fall Into Place』。ステージBGMの一つ。

ニュージーランドのインディースタジオ・Dry Cactusの代表作である本作。限られた予算のなかで橋を建設し、車を向こう岸に渡らせることを目的とする物理パズルである。いかに丈夫に堅実に橋をつくるか、といった遊び方はもちろん、思いにもよらないような攻略手段で強引に突破するのも一興で、他のプレイヤーの独創的なアイディアを眺めるのも面白い。また、自作のステージを作成することもできる。PC版の他にiOS版やスイッチ版もあり、いつでもどこでも橋づくりを楽しめる。

本作の音楽を担当するのはAdrian Talens氏。カナダ出身のゲーム音楽の作曲家で、得意楽器はアコースティックギターである。本作の楽曲はいずれもアコギ一本で奏でられるフォークサウンドであり、まるでこれから遠足にでも出かけるような晴れやかで朗らかな雰囲気にあふれている。ステージごとに曲が用意されているわけではなく、アルバムをそのまま再生しているかのごとく、一曲終われば次の曲へ、それが終わればさらにまた次へ、といったふうに絶え間なく音楽が流れるようになっている。サウンドトラックは氏のyoutubeチャンネルやSoundCloudのアカウントで一部公開されているうえ、氏のホームページにはタブ譜も掲載されている。

とりわけうきうきと心躍るような音使いが特徴のこの曲は、和訳すると「正しい場所に収まる、落ち着くべきところに落ち着く」という意味のイディオムを題名に冠した一曲である。ゲーム内の特定の場面と結びついているわけではないが、失敗を繰り返しながらも着実に成功に近付いていっていることを実感させてくれるような、明るく前向きなメロディが印象的で、もう一回挑戦してみよう、という気持ちを後押ししてくれる。温もりたっぷりのアコギの音色にキレのあるカッティングを効果的に用いることで、スタッカートの効いた溌溂たる空気感をつくりだしていて、本作の奥深い魅力を余すことなく表現している。

橋づくりのための作業用としてだけでなく、通勤通学、散歩にドライブ、どんなシチュエーションにだって合いそうですね。この曲、ひいてはサウンドトラック全体、とてもおすすめです。本人が演奏している動画もあわせてどうぞ。

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