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#647 『Victory』(Neal Acree・Derek Duke/Overwatch/PC・PS4・XOne)

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Blizzard Entertainmentがおくるチーム対戦型アクションシューティング・

オーバーウォッチより、Neal Acree・Derek Duke作曲、『Victory』。

試合後のリプレイ画面(POTG)で流れます。

PC、PS4、XboxOne(ただし日本では前二者のみ)の三機種で登場した本作。未来の地球を舞台に、反乱する人工知能や暗躍するテロ組織に対抗すべく、特殊能力を持つヒーローたちが立ち向かうことになる。攻撃を得意とするオフェンス、拠点防衛に長けるディフェンス(後にオフェンスとディフェンスを一括してダメージと名称変更された)、壁となって味方を守るタンク、支援に回るサポート、様々なロールを使いこなしながら6対6のチーム戦をおこない、先に目標を達成したチームが勝利する。立ち回りを意識して味方と連携することが肝となるゲームバランスで、役割に応じて行動するMMORPGライクな要素も見受けられる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはNeal Acree氏、Adam Burgess氏、Sam Cardon氏、Derek Duke氏、Cris Velasco氏など複数の作曲家たちで、特にBlizzard Entertainment所属のDuke氏が中心となって大半の楽曲を作曲している。また、Burgess氏もBlizz所属の作曲家で、担当分はすくないが作曲アシスタントを務めている。Acree氏とCardon氏は映画の劇伴などを多く手がける作曲家で、Velasco氏はメーカー問わず様々なゲームに楽曲提供している作曲家である。本作ではアメリカはもちろん、日本やフランスやエジプトなど、世界各地の都市を模したマップが用意されているため、古今東西ワールドミュージックが勢揃いしていて、未来世界の洗練された雰囲気を存分に味わえる。サウンドトラックはコレクターズエディションに同梱されていたほか、単体でも発売されているが、未収録のものもすくなくない。

試合が終了するたびに「PLAY OF THE GAME」という名目で勝敗の結果とともにその試合のハイライトを振り返るリプレイが挿入されるが、そこで流れるのがこの曲である。活躍の瞬間を切り取ったダイナミックな映像にあわせて、この曲もエレキギターとオーケストラが融合した臨場感あふれるシンフォニックサウンドに仕上がっている。勇壮なイントロで両チームの健闘を称え終えると、30秒を過ぎたあたりからはずっと落ち着き払った曲調が続き、その張り詰めた音使いが、試合後の余韻にいつまでも浸らせてくれる。喜びや悔しさを噛み締めつつ、もう一戦挑みたくなる気持ちを助長する一曲である。

この曲は『Victory Theme』と表記されることも多いですが、曲名はサントラ準拠にしています。サントラに入っていない曲だと、イリオスの曲が好みです。

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