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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#128 『FIGHT!! Ver.4~最終戦闘』(岩垂徳行/グランディアII/DC)

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ゲームアーツがおくるRPGグランディアより、

岩垂徳行作曲、2の『FIGHT!! Ver.4~最終戦闘』。ラストバトルで流れんす。

ボーイ・ミーツ・ガールの王道な冒険譚で知られるグランディアの続編にあたる本作。モンスター退治を生業とするジオハウンドの青年・リュードと相棒の鳥・スカイは、神官見習いの歌姫・エレナの護衛任務を引き受けたことをきっかけに、エレナの体内に取り憑いてしまった闇の化身・ミレーニアとともに、呪いを解く旅に出ることになる。前作から世界観を一新していて、明るめの冒険活劇から一転、光と闇の戦いを描いたクールな作風となっている。二人のヒロインに翻弄されながら紡がれるシナリオは、前作とはまた異なる魅力を持っていて、雰囲気こそ違えど手堅くまとまった仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは岩垂徳行氏。音楽制作会社ツーファイブに所属する作曲家で、前作に引き続き単独で作曲している。また、本作以降もシリーズすべてに携わっていて、グランディアサウンドの生みの親として壮大な楽曲の数々をつくり出している。前作とは対照的に、本作は暗めの雰囲気を押し出しているため、サウンドもそれに伴ってより重厚で、より神秘的な路線となっている。サウンドトラックはDEUS(神)とPOVO(人々)の二種類に分かれて発売されている。

Ver.1から4までの戦闘曲群のうち、ラスボス戦で流れるのがVer.4にあたるこの曲である。遠くから迫りくるドラムの打音で始まり、そこにギターの哭く音を加え、コーラスを重ね、緊張感を極限まで高めたところで、20秒過ぎから弾けるような明るさと勇ましさを湛えたメロディーが流れ出す。ストリングスとシンセが清涼感あふれる旋律を奏でるなか、ブラスの派手な音色が要所要所で轟き渡り、爽やかでありながら重厚でもある独特なテンションを生む。57秒~1分3秒あたりで一際インパクトのあるオーケストラヒットを連発したり、1分34秒~1分44秒あたりで一気にストリングスが音階を駆け下るフレーズを奏でたりすることで、曲全体を通して勇猛果敢な勢いを感じさせる。最終決戦らしい抜群の爽快感に満ちた一曲である。

パーカッションが結構重めに響いていますが、それでいて威圧感よりも疾走感が引き立っていて、ラスボス戦の昂揚感をうまく引き出してくれますね。