VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#205 『Sweeping Seashore』(幡谷尚史/ナイツ ~星降る夜の物語~/Wii)

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セガがおくるフライングアクション・ナイツより、

幡谷尚史作曲、星降る夜の物語の『Sweeping Seashore』。

アクアガーデンで流れます。

夢の世界を自在に飛び回るアクション性で知られるセガサターンの名作・ナイツの11年越しの続編として登場した本作。夢の世界・ナイトピアが、ワイズマン率いる悪夢の世界・ナイトメアに侵食されつつあるなか、悩みを抱える二人の主人公・ウィルとヘレンがナイトピアを救う冒険に出ることになる。おなじみの空を飛ぶ爽快感はもちろんのこと、進化したグラフィックでおくられるバラエティ豊かなビジュアルが特徴で、ダブル主人公制の導入により任意の順番で双方の物語を進めることができる。ムービーシーンが多く、思春期の少年少女の葛藤に焦点を当てたシナリオが綴られる。全体的に新要素を加えながらも、肝となる空飛ぶ楽しさは健在な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは大谷智哉氏、熊谷文恵氏、ササキトモコ氏、中川輝彦氏、幡谷尚史氏、前田龍之氏。編曲のみの参加で小林秀聡氏、瀬上純氏、床井健一氏、蓑部雄崇氏も携わっている。いずれも当時セガに所属していたか現在も所属している作曲家たちである。総勢十名から成る大人数の作曲陣がおくる本作の楽曲は、色とりどりの夢の世界での冒険を一段と華やかに彩り、前作の名曲『Dreams Dreams』もアレンジされてここぞというタイミングに流れるなど、音楽面にはかなり力が入っている。サウンドトラックはボーカル曲も含めて3枚組で収録されている。

アクアガーデンはヘレンが初めて訪れることになるナイトピアで、母なる海をイメージした不思議な海底の楽園である。魚が宙を舞い、空にも海が広がる浮遊感あふれるステージを飾るこの曲は、陽気で前向きな音使いが印象的である。温かなアコースティックギターとともに奏でられる煌びやかな音色は、どこか浮世離れしたリゾート地のような雰囲気を漂わせる。序盤での疾走感あふれる短音の連続や、サビでの開放感あふれるメロディーラインは、ともに大自然の豊かさを感じさせ、童心をくすぐる可愛らしい曲調が、涼しげで楽しげなステージを華麗に表現している。

夏の暑い日に聴きたい一曲です。夏といえば真っ先に思い浮かぶのはマリオサンシャインの『ドルピックタウン』ですが、それもいずれ今夏中に紹介しましょう。

※宣言通り紹介しました。

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