トライエースがおくる銃撃多重奏RPG・エンドオブエタニティより、
田中公平作曲、『The beginning of eternity』。タイトル画面で流れます。
トライエース製の新作RPGとして登場した本作。大気汚染が深刻化し、破滅の危機に直面する遠未来を舞台に、PMF(何でも屋の傭兵)を生業とする三人の主人公が、やがて世界の運命を変えることになる。事前に移動ルートを設定し、行動に制限をかけることで無敵状態で攻撃できるインビンシブル・アクションをはじめ、銃を主軸に据えた複雑ながらも奥深い戦闘システムが特徴で、精密なカスタマイズを通じて武器を自分好みに強化することもできる。シリアスでダークな世界観とは裏腹に、やたらユーモラスなキャラクターたち、随所に散りばめられたギャグやジョークなど、独創的な雰囲気をこれでもかというほど漂わせていて、やり応えのある仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは桜庭統氏と田中公平氏。桜庭氏はフリーランスの、田中氏は音楽制作会社イマジンに所属する作曲家である。桜庭氏は戦闘曲を、田中氏はそれ以外のドラマパートなどを中心に担当している。桜庭氏はダウナーなロック、田中氏は映画音楽風のクラシカルなオーケストラと、それぞれ得意のジャンルに合わせて作曲している。全体的な傾向として、荒廃した世界観に沿ったアングラ風の重厚な曲が多い。また、インビンシブル・アクション中は別アレンジが流れるなどの工夫も凝らされている。サウンドトラックは6枚組の大ボリュームで収録されている。
タイトル画面で流れるのがこの曲である。出だしからドラムやオーケストラを駆使して圧迫感のある印象を植え付けるが、10秒過ぎからは一転してストリングスが解放的なメロディーラインを奏でるようになる。トランペットやフルート、シンバルなど、オーケストラ定番の楽器が勢揃いで紡がれる絢爛華麗な音色が印象的で、その壮大で勇ましい曲調は、大いなる冒険の幕開けを感じさせる。永劫の終わりを意味する本作のタイトル(エンドオブエタニティ)に対して、永劫の始まりを意味する曲名にふさわしい象徴的な一曲に仕上がっている。
威圧的なイントロで引きずり込んで、そこから雄大な曲調へと変わる流れがすごく心地良いですね。