ポリフォニーデジタルがおくるレース&カーライフシミュレーション・
グランツーリスモより、大平勇作曲、3の『Light Velocity』。ディーラーで流れます。
自動車の本物らしさを極限まで追求したグランツーリスモシリーズのうち、ナンバリング3作目にあたる本作。シリーズ初のPS2作品で、ハードの強みを活かして、今まで以上に写実的で再現性の高いグラフィックと挙動が実現した。登場車種は200ほど、新たにコース差分として地面が濡れているウェット路面が登場したほか、オイルの劣化の概念が導入され、現実同様にこまめな手入れと交換が必要となった。見た目も動きも、ともすれば実写と見紛うほどのレベルに進化した仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは大平勇氏と嘉生大樹氏。いずれもフリーランスの作曲家で、GTシリーズには大平氏は初代から、嘉生氏は本作から参戦している。また、本作ではレース曲を中心に、アメリカ出身のシンガーソングライター・Lenny Kravitz氏、イギリスのロックバンド・Death in VegasおよびFeeder、同じくイギリスのミュージシャン・Overseerなど、多数の海外アーティストによるボーカル曲が充実している点が目新しく、今までのシリーズと比べて大きく音楽性が変化した。サウンドトラックはインストのみの収録で、軒並み編曲が施されているため、オリジナル盤というよりはアレンジ盤という印象が強い。
クルマを売買するカーディーラーで流れるのがこの曲である。国産であればトヨタやニッサン、米産であればシボレーやフォード、さらには架空のF1マシンも含めて、様々な車種が揃うショップのメニュー画面を、ジャズの爽やかな音色がスタイリッシュに彩る。煌びやかな高音が醸す心地良い旋律に、低音のベースが紡ぐ渋味あふれる伴奏とが相まって、その瀟洒な響きに思わず酔い痴れるほどの無上のグルーヴ感を生み出している。曲名の意味は「光の速度」、選りすぐりの新車で今にも駆け出したくなるような気持ちを後押しする一曲である。
サントラのアレンジ版ではサクソフォンの追加や全体的な音質の向上により、ますますジャジーな雰囲気に磨きがかかって、非常にお洒落です。特に後半のサックスが圧巻で、3分33秒~40秒あたりのフレーズがたまらないです。あわせてどうぞ。