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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1049 『AREA 4』(J.T.S・MATS・MIYAMO・OZONO・SYDON・TAKEUCHI/ガンヘッド/PCE)

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東宝SF映画を原作とする、

コンパイルとハドソンがおくる縦スクロールシューティング・ガンヘッドより、

J.T.S・MATS・MIYAMO・OZONO・SYDON・TAKEUCHI作曲、『AREA 4』(仮称)。

4面で流れます。

サンライズ東宝による巨大ロボット特撮SF映画ガンヘッドのゲーム化作品であり、ハドソン主催の全国キャラバン認定ソフトの一つである本作。自機のガンヘッドを駆って地球に侵略してきた戦略戦隊を迎撃することになる。映画との関連性は題名以外にない、ほぼオリジナルの全9面から成る縦スクロールシューティングで、メイン・サブとも4種類のウェポンを使いこなしながら進めていく。ショットは6段階までパワーアップ可能で、画面いっぱいに広がる派手なエフェクトが特徴である。程よい難易度のもとで多種多様な攻撃で敵を掃討する爽快感を追求した手堅い仕上がりとなっている。後に海外向けにBlazing Lazersという題名で移植され、以降、国内のアーカイブ配信やPCエンジンミニでの収録に際してもその題名が使用されている。

本作の音楽を担当するのはJ.T.S氏、MATS(塚本雅信)氏、MIYAMO(宮本昌知)氏、OZONO氏、SYDON(井上志鈍)氏、TAKEUCHI(竹内啓史)氏。いずれも当時コンパイルに所属していた作曲家だが、J.T.S氏とOZONO氏については本作以外の担当作品が確認できず人物を特定する手がかりがすくない。本作ではサンプリングされたドラムを効果的に用いた小気味良いサウンドが中心で、力強く疾駆するものから独特な哀愁を漂わせるものまで揃っている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

AREA 4で流れるのがこの曲である。ここでは脳みその内部のような赤い空間で、色とりどりの脳みそ型の敵と戦うことになる。そうした奇天烈な光景を重厚感たっぷりの電子音とドラムで彩ることで、薄気味悪さを吹き飛ばすほどの格好良さを印象付ける。休みなく刻まれるドラムの破裂音が、さながら爆撃しているかのように響き、徐々に勢いを溜めながら22秒頃にサビに辿り着くと、開放的な主旋律や煌びやかに絡み合う伴奏ともども、激しい疾走感を漂わせる。サビが終わる38秒になると、壊れた機械のように甲高い音色を連続で響かせ続け、やがて収まると次のループへと入る。1ループ45秒ほどの短さに、脳天をかち割るような力強いインパクトを詰め込んだ一曲である。

サビが何度聴いても痺れます。絶妙な具合で荒ぶるドラムも格好良いです。