Rake in Grassがおくる横スクロールシューティング・Jets'n'Gunsより、
Machinae Supremacy作曲、2の『Cargo Bay Goodbye』。Water Worldで流れます。
チェコのインディースタジオ・Rake in Grassの代表作であるJets'n'Gunsの16年ぶりの続編にあたる本作。異次元から現れ、あらゆる生命を根絶せんと目論む未知の脅威に対抗すべく、銀河で一番勇敢なパイロットが戦うことになる。資金を稼いで自機の武装をカスタマイズしながら進める周回要素ありのライフ制のシューティングで、ステージごとにどの装備を選ぶかを見極める点が攻略の肝である。基本的なゲーム性は前作と似通っているが、前作と比べてグラフィックまわりが大幅に強化され、迫力満点な爆発描写をはじめ、先に進むほどにダイナミックな映像を楽しむことができる。また、装備の種類の増加やアップグレード要素の拡充など、前作から順当にパワーアップしてカスタマイズの自由度が高まった。自分好みの組み合わせを見つけて派手に爆撃する爽快感を追求した仕上がりとなっている。後にスイッチに移植された。
本作の音楽を担当するのはMachinae Supremacy。前作でもおなじみのスウェーデン出身のヘヴィメタルバンドで、コモドール64の音源であるSIDチップを用いた独自の音楽性(曰くSIDメタル)で知られる。チップチューンとハードロックとヘヴィメタルが融合した硬派かつ豪快なサウンドは本作でも健在で、派手なゲームプレイに見合ったパワフルな存在感を放っている。一部、前作の楽曲をリミックスしたものが使用されている。サウンドトラックはBandcampをはじめ各種デジタルストアで配信されている。
Water Worldで流れるのがこの曲である。隠し含め全16面構成のうち8番目にあたる中盤のステージである。敵性艦の攻撃をしのぎながら悪天候の海を駆ける場面を、冒頭からオーケストラヒットを利かせたスピード感のある曲調で彩る。12秒でエレキギターの伴奏が加わると、激しいリフで焦燥感を煽り、緊張を高めたところで24秒頃から主旋律が入る。主旋律も同様にエレキギターだが、今度は焦燥の代わりに鮮烈な情熱を滲ませる。しばらく重厚な勢いを維持した後、1分13秒で一気にギターが収束すると、冒頭で聴き覚えのあるフレーズが再び奏でられる。そのままループするかと思いきや、その後は雰囲気こそ似ているがすこし違うメロディーが紡がれ、特に2分21秒では即興風の新たなパートが追加される。終始、非常に活き活きとしたスリルとテンションを保ち続ける一曲である。
アーリーアクセス版の頃から楽しみにしていた作品です。EA版と製品版では曲の使用箇所が変わってたりします。個人的には前作の『Shopmusic』がよりヴィヴィッドにリミックスされていたのだけでも満足です。『Shopmusic (Remix)』、あわせてどうぞ。