ワンダープラネットがおくるブッ壊し！ポップ☆RPG・クラッシュフィーバーより、
加藤浩義作曲、『Follow the White Rabbit』。ノーマルクエストで流れます。
パズルとRPGを掛け合わせた基本プレイ無料型のアプリとして登場した本作。ALICEと呼ばれる仮想世界のネットワークサービスが普及する時代を舞台に、人類排除に目覚めたシステムAI、通称女王の暴走を止めるべく、プレイヤーは事態収拾を図る適合者となって立ち向かうことになる。近未来SFのポップでスタイリッシュな作風と、童話や神話、史実など様々な出自のキャラを織り交ぜた世界観が特徴である。戦闘面では、画面下半分にある色とりどりのパネルをタップし、隣接する同色諸共、連鎖的に壊していき、壊した分だけ敵にダメージを与える、というスタンダードなパズルRPGらしいルールを採用している。これにユニットごとのアビリティや大火力のクラッシュスキル、ゲージが溜まると発動できるフィーバーモード（一定時間、大量にパネルが降ってきて壊し放題になる）など、戦闘を派手に彩る諸要素が用意されている。メインストーリーはもちろん、各種イベント、コラボ、高難度クエスト、ガチャなど、一通りのゲームシステムが実装されている。総じてそこそこロングランしている堅実な仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは主に加藤浩義氏。音楽制作会社ノイジークロークに所属する作曲家である。氏にとって本作は代表作の一つだが、それ以前にもアプリの担当経験でいうと消滅都市の作曲者として知られている。本作はサービス開始当初から氏がメインで作曲しているようだが、継続的にアップデートされて曲数が増えていくなかで、いとうけいすけ氏、工藤詠世氏、佐藤聡氏、藤岡竜輔氏ら、同じくノイジークローク所属の面々も一部作曲している。本作の音楽は、加藤氏が得意とするトランスやEDM系の爽やかでハイテンションなサウンドを中心に取り揃えられている。サウンドトラックは定期的に発売されていて、現時点で7つ存在する。
ノーマルクエストで流れるのがこの曲である。ホーム画面の『Alice in the ALICE』と並んで再三アレンジされている本作の代表曲である。冒頭から出し惜しみすることなく押し寄せるシンセと、しっとりと寄り添うピアノの音色が印象的で、6秒から音階を自在に行き来する電子音が加わると、そこから徐々に勢いづいていく。14秒で四つ打ちのビートがはっきりと響くようになると、イントロの時点でも十分アグレッシブな曲調だったが、ますます全力全開の疾走感を漂わせる。主旋律が入る26秒からの盛り上がりは、さながらジェットコースターのようなメリハリがあり、46秒で一旦流れが変わるところがまた目まぐるしい印象を強めてくれる。隙のない緩急自在な曲構成のおかげで、いつまでもノリノリな気持ちで聴き続けられる一曲である。
アレンジはいっぱいあるので割愛するとして、すこし触れた『Alice in the ALICE』もあわせてどうぞ。
