オフィスクリエイトがおくるおりょうりアクション・クッキングママより、
伊師正好作曲、みんなといっしょにお料理大会の『ロシアのおともだち』（仮称）。
ロシアのおともだちと料理するときに流れます。
直感的な操作と手取り足取りの指導で料理を体験できるクッキングママシリーズのうち、2作目にしてWii進出作にあたる本作。前作はDSの2画面とタッチペンを活かしたつくりだったが、本作はWiiリモコンを調理器具に見立てて、より再現性を高めた形で食材を切ったり、こねたり、フライパンを振ったりするアクションを楽しむことができる。レシビは世界各国からよりどりみどりで55種類、料理の工程（ミニゲーム）は300種類以上収録されている。ママの指導のもとで一人で料理に励むメインモードのほか、国際色豊かな10人のおともだち（CPU）と一緒に料理対決するモード、他のプレイヤーと2人対戦できるモードが搭載されている。全体的に本格仕様の料理体験というよりはバラエティゲームらしいカジュアルさを追求している一方で、Wiiリモコンの操作感度は良くも悪くも若干の慣れを要する。おままごと遊びの愉しさを気軽に味わえる仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは伊師正好氏。スタッフロールではチャミ名義でクレジットされている。音楽制作会社T's MUSICに所属する作曲家である。クッキングママシリーズには前作に引き続き携わっていて、本作以降も継続的に手がけている。本作では作風に見合ったチャーミングでリラックス感のあるイージーリスニング系の楽曲が取り揃えられている。世界のおともだちとCPU対戦するモードでは、それぞれのおともだちの国籍を踏まえたBGMが用意されていて、ものによってはバグパイプや二胡といった民族楽器が取り入れられたり、フラメンコ風やワルツ風などの象徴的な曲調が用いられたりしている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。
ロシアのおともだちと料理するときに流れるのがこの曲である。ロシア帽に水色のドレスコートを身に着けた長い金髪の少女で、ピエロギもしくはボルシチで料理対決することになる。そうしたなか、この曲は伝統的な舞踊を思わせる2/4拍子のリズムが特徴的である。バラライカを彷彿させる撥弦楽器の細やかな音色に、チャッチャと小気味良く鳴るタンバリンを組み合わせて、非常にはっきりとテンポ感を強調することで、とてもノリやすく耳に残る愉快な聴き心地を生む。バラライカのお供にバヤン（アコーディオンの一種）と思しき音色を添えていて、それ単体での見せ場は多くないが、13～14秒や17～18秒で顕著な出番が与えられている。元々軽快なテンポだが、曲が進むにつれて徐々に速くなっていく点も印象深い。特に34秒以降のパートは、お料理するうちにいつの間にやらてんやわんやの大忙しに陥ってしまう感覚がよく表現されている。ループ直前の43～45秒では分かりやすく区切りをつけるような締め方をすることで、また心機一転お料理を続けようとする気持ちを後押ししてくれる。朗らかだけど油断禁物な雰囲気が伝わってくる一曲である。
個人的にこの曲は数分聴き続けるとその日一日は頭から離れなくなります。ちなみに他に当てはまるカテゴリーがなさそうなので、とりあえずスポーツ・競技曲に分類しました。
