コンパイルがおくるシューティング・アレスタより、
大矢知恵・南智紀作曲、GG2の『STAGE 1』(『STAGE 1 SPACE PLANET』とも)。
1面で流れます。
ザナックの系譜を継ぐアレスタシリーズのうち、ゲームギア向け第2弾として登場した本作。前作の事件の反省から外敵への防衛力強化の目的で配備された軍事衛星・アルゴが、図らずも未知の物体に寄生されて地球側への攻撃行動を開始したことを受け、新鋭機・GG ALESTE II LANCE BIRDの若きテストパイロット・アリスが出動することになる。全6面構成、途中で3Dのボーナスステージを挟む縦スクロールシューティングである。難易度は4段階、自機の移動速度は8段階用意されていて、開始時に初期装備となる特殊兵器を選択することができる。道中のパワーチップを取得して通常弾や兵器をレベルアップさせられる点は前作同様だが、特殊兵器の種類が減少した代わりに新たにG・ストライク(ボム)やラウンド・フィールド・ジェネレーター(バリア)が使用可能になった。見た目や操作感が変わるボーナス面を筆頭に、ステージのバラエティや描画力にはいっそう磨きがかかっていて、全体のバランスやウェポンの多彩さといったシューティングとしてのつくりも安定している。携帯機で手軽かつ本格的な遊び応えを得られる仕上がりとなっている。後にPS4とスイッチ向けに登場したアレスタコレクションに収録された。
本作の音楽を担当するのは大矢知恵氏と南智紀氏。スタッフロールでは大矢氏はIMAMI PON、南氏はBA.M名義でクレジットされている。いずれも当時コンパイルに所属していた作曲家で、シリーズには初参戦のようである。前作でみられた、PSG音源をフル活用したダイナミックでスピーディーなサウンドは本作でも健在で、滑らかな音階や高速アルペジオを巧みに駆使して吸い込まれるような表現力を生み出している。サウンドトラックは本作単体では存在しないが、サイトロンレーベルのレジェンドオブゲームミュージックBOXの第3弾にあたるコンシューマー篇のなかに収録されているほか、シリーズ楽曲を集めたアレスタコレクションアルバムのなかにも収録されている。両者で曲名の表記が異なるが、ここでは前者に倣うものとする。
STAGE 1「SPACE PLANT」で流れるのがこの曲である。太陽光蓄積プラントでのテスト飛行中に敵に遭遇し、そのまま迎撃に向かうことになるシーンで、中ボスを挟んで前半は暖色系の色使いが目立ち、後半は寒色系の色使いを中心に、背景に太陽光パネルや設備の残骸などが見える。低音から高音まで気持ち良く駆け抜けるキャッチーなイントロで始まり、7秒頃で勢いに乗じて一際高く鋭く響く音色を交えると、やがてメインメロディーに突入する。音階を上ったり下りたりを繰り返すアルペジオが曲の大部分を占めるが、そのなかでも15~25秒などのように旋律を聴かせるパートも含まれている。30秒あたりになると一度冒頭に回帰するが、ここで早くもループに入るわけではなく、43秒以降に高音をぐりぐり鳴らす新フレーズが加わる。高音の目まぐるしい響きに寄り添うように、ドラムと合わせて一定間隔で短く区切った中低音を挿入することで、ハイペースだがしっかりリズムを取りやすい印象を与える。最終的に57秒で仕切り直しの合図として警鐘の如く連続した音を鳴らし、1ループを颯爽と締め括る。けたたましいほど鮮やかな一曲である。
速くて爽快で、そのうえ絶妙に使命感を帯びていて、テンション上がりますね。