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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1637 『少女達の証明』(石村睦/閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-/PSV)

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タムソフトがおくる爆乳ハイパーバトル・閃乱カグラより、

石村睦作曲、SVの『少女達の証明』。ストーリーモードのラストバトルで流れます。

豊満なくノ一の激闘ぶりを描く閃乱カグラシリーズのうち、Vita進出作にあたる本作。陰と陽の均衡が崩れつつあるなか、完璧な善忍を志す死塾月閃女学館の雪泉は、祖父の代からの好敵手である国立半蔵学院の飛鳥らに学炎祭を仕掛け、善の在り方を証明すべく戦うことになる。これまでのベルトスクロール形式ではなく、本作では3D空間を駆け回って敵を殲滅する一騎当千系のアクションに変更されている。プレイアブルキャラは4勢力・総勢20名で、勢力ごとの物語を描くストーリーモードの新説少女忍法帖と、キャラ別の後日譚が楽しめるアーケードモードの百華繚乱記が収録されている。前者は文字とイラストで展開するノベルパート、表情や動き含めて少女たちのやりとりを楽しめるアドベンチャーパート、そして肝となる戦闘に挑むアクションパートから成る。戦闘は簡単操作で派手に乱れ舞う軽快さが特徴で、コスチュームの多彩さや揺れの激しさ、脱衣など、シリーズならではのお色気要素が強調されている。ロード時間の長さやバランスの大味さなど粗はあるが、公式ジャンル名に違わずハイパーで開けっ広げな仕上がりとなっている。後にPCに移植された。

本作の音楽を担当するのは石村睦氏と本山明燮氏。いずれも音楽制作会社Soundlab AIに所属する作曲家で、閃乱カグラシリーズには初代からタッグで連綿と携わっている。本作では新勢力と新キャラが多数登場し、旧キャラも体制や立ち回りが変わったことを受け、装い新たに新曲が多く書き下ろされている。3Dアクションの豪快さやキャラの内情を反映し、今まで以上に情熱的な和ロック、ギターをガンガン利かせたメタル系のサウンドが目立つ。と同時に、本作のメイン勢力である死塾月閃女学館のメンバーはキャラのテーマ曲にクラシックのアレンジを取り入れていて、クールビューティーらしい気品が感じられる。サウンドトラックについては、初回限定盤にビジュアルブックやドラマCDと抱き合わせで同梱されていた。

ストーリーモードのラストバトルで流れるのがこの曲である。曲名がそのままゲーム名の副題であることからも窺えるように、一際気合の入ったクライマックス感あふれる曲調に仕上がっている。出だしからパワフルなギターに鬼気迫る民謡風の歌唱が重なり合って圧倒的なインパクトを生み、10秒から舞い踊るような鮮やかな勢いを帯びるようになる。21秒にはギターが主役を掻っ攫ってドライブ感のあるメロディーを披露し、32~42秒の間奏を挟んだ後、あらためて全身全霊を込めたギターソロが炸裂する。特に51秒には限界を突き抜けるような甲高い高音を鳴らすくだりは印象深い。恐ろしい疾走感と剥き出しの情熱に満ちた一曲である。

怖いほどのプレッシャーと格好良さがありますね。