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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#322 『Cloak And Dagger』(Percival/The Witcher 3: Wild Hunt/PC・PS4・XOne)

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ポーランドのCD PROJEKT REDがおくるオープンワールドARPG・The Witcherより、

Percival作曲、3の『Cloak And Dagger』。

意味は「外套と短剣」で、ホースレースおよびエンディングで流れます。

ポーランドのファンタジー作家アンドレイ・サプコフスキによる小説「The Witcher(原題Wiedźmin)」を原作とするウィッチャーシリーズ。3作目にあたる本作は、シリーズ初の日本語へのフルローカライズに対応した作品で、主人公のリヴィアのゲラルトの活躍を描いた最後の冒険譚である。細部まで奥行きたっぷりに練り込まれた濃厚な世界観、シームレスに延々と続く広大なフィールド、プレイヤーの選択によって分岐するノンリニアなシナリオ、狩りに乗馬に様々なお楽しみ要素が詰まった、洋ゲーならではの圧倒的なボリュームが、世界中のファンを魅了してやまない。

本作の音楽を担当するのはMarcin Przybyłowicz氏とMikolai Stroinski氏、さらにゲストとしてPercivalの面々である。Przybyłowicz氏はポーランド出身のゲーム音楽作曲家で、シリーズには二作目から携わっている。一方のStroinski氏はシリーズ初参戦のケニア出身の作曲家で、ふだんはゲームに限らずテレビや映画の劇伴も務めている。Percivalはポーランドのフォークバンドで、スラヴ系フォークメタルのジャンルで活躍するPercival Schuttenbachからメタル要素を差し引いた派生ユニットである。本作では徹底的にこだわり抜かれたハイファンタジーの作風に合わせて、どこか浮世離れしているが、同時にノスタルジックでもある楽曲が数多く収録されている。

馬に乗って颯爽と広野を駆け抜けるホースレースで流れ、かつまた本作を締め括るハッピーエンドにも抜擢されたこの曲は、まさにそうした二面性を見事に兼ね備えている。Percivalの基本構成はサズ(別名バグラマ:トルコ近辺の伝統的な民族楽器で、リュート属の弦楽器)奏者一人、ビザンチン・リラ(ビザンツ帝国由来の竪琴)奏者一人、バウランおよびダヴル(前者はアイルランドにて、後者は中近東にて伝統的な打楽器)奏者二人という、他に類を見ないほど異色のフォーピースバンドとなっていて、その他必要に応じてフルートやピッコロ等の楽器も用いているが、そうした特異性を活かして紡がれる甘美な音使いが、摩訶不思議な心地良さを生み出している。果てしなくどこまでも広がる世界を彩るにふさわしい、哀愁と郷愁と憂愁に満ちた一曲である。

スラヴ諸国、行ってみたいですね。無性に旅に出たくなる気分にさせてくれます。