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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#464 『Dragon's Castle』(坂本慎一/ワンダーボーイ モンスターランド/AC)

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エストンが手がけるアクションRPGワンダーボーイモンスターランドより、

坂本慎一作曲、『Dragon's Castle』。ドラゴンの城で流れます。

アーケード用横スクロールアクション・ワンダーボーイの第2作目として登場した本作。モンスターに支配された世界で、ブック少年が悪の化身たるドラゴンを討伐する冒険の旅に出かけることになる。王道なRPGのシナリオにアクションの醍醐味を付け加えた斬新なゲーム性が、80年代当時は非常に画期的なものとして人気を集めた。本作は純粋な移植のみならず、ビックリマン西遊記などにキャラの差し替えをおこなったうえで移植されていて、セガエイジズやバージャルコンソールの一環として復刻版も配信されているなど、移植が多岐にわたる。

本作の音楽を担当するのは坂本慎一氏。当時ウエストンに所属していた作曲家で、それ以前にはテーカンテクモ)やNMKなどにも所属していた。氏はアーケードゲームの黄金期のサウンドを支えた作曲家の一人であり、音楽以外にもプログラマーやディレクターとして様々な仕事に携わっている。本作の楽曲は、オーソドックスなRPGらしい勇壮でファンタジックな作風のものが多い一方で、全11面からなるステージクリア型の2Dアクションであるという特性上、いわゆる宿があって街があって、というような一般的なRPGのイメージとは異なる曲の使われ方がされている点が特徴的である。往年の名作ということもあり何度も音源化されているため、サウンドトラックには事欠かない。

全11面のなかの最後のステージにあたるドラゴンの城で流れるのがこの曲である。ドラゴンの城はこれまでのどのエリアよりも長くて複雑な構造のステージであり、正しい手順を踏まないと先には進めない仕組みになっていることから、必然的に攻略に時間がかかるが、そこで流れるこの曲は、クライマックスの重要な局面で中弛みすることなく勢いたっぷりに奏でられる。前半は低音の多いフレーズを、後半は高音の多いフレーズを用いることで、音数のすくなさを補って余りある迫力を生み出していて、最終決戦に向けて力強く盛り上げてくれる。

当時のウェストンの開発環境では機材が揃っていなくて、作曲する際は手書きで譜面に起こしていたそうですね。ちなみにPCエンジンビックリマン版ですとこの曲に限らず全体的に音程が低くなっていて、それはそれで聴き比べると面白いです。あわせてどうぞ。

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