中島大作曲、ワンダフルライフの『そよかぜソング』。牧場内で流せる曲の一つ。
牧場経営とスローライフを楽しむ牧場物語シリーズの10作目にあたる本作。わすれ谷という自然豊かな集落を舞台に、亡き父の牧場を受け継いだ主人公の青年は、牧場を営みながら家庭を築き、人生を謳歌することになる。全6章構成で花嫁候補は3人、30年間（ただし1年は4か月、1か月は10日扱い）の時を過ごせる点が特徴で、結婚はもちろん、子どもの誕生から独立するまでの長期的な成長を見守ることができる。加齢や町並みの変化、出会いと別れ、エンディングの分岐など、時の流れや選択した行動に応じて人も町も移ろいゆく生活感を味わえる。牧場経営に関しては、前作と比べて家畜のデザインがリニューアルされたうえで動物の種類が増え、さらには作物の品種改良もいろいろ試せるようになった。美しいグラフィックで彩られるわすれ谷の雰囲気満点な風景も相まって、牧歌的な世界観のもとで人生を追体験できる仕上がりとなっている。後に女性主人公を据えたforガールが登場したほか、新要素を加えてPS2に移植された。また、スイッチ向けにリメイクされた。
本作の音楽を担当するのは中島大氏。情報がすくないため判然としないが、おそらく本作の開発元であるトーセに所属する作曲家である。牧場物語シリーズには本作以外にもふたごの村に携わっているようである。本作ではこれまで通り、ほのぼのとした生活にぴったりな長閑な雰囲気の楽曲を中心に揃えられていて、GC版とPS2版で楽曲のアレンジが異なる。また、作中ではレコードというアイテムを使って牧場内のBGMを切り替えることが可能で、過去作の楽曲も適宜使用されている。サウンドトラックについては、GC版原曲を収録したものが存在する。
牧場内で流せるレコードのうち、はじめから持っているのがこの曲である。イントロから弾けるように奏でられるギターが印象的で、シャカシャカと鳴るタンバリンの楽しげな音色が麗らかな雰囲気に磨きをかける。5秒頃からメインメロディーが入ると、最初のうちはゆったりとした旋律を紡ぐが、25秒で伴奏ともども勢いづいて心躍るような響きを生み出す。勢いが増したところで曲全体を貫く穏やかさは健在で、何気ない日々のちょっとした喜びを音で表したかのような耳心地の良さを感じさせる。1ループ45秒ほどと短めだが、曲名通りまるでそよ風のように優しく快い一曲である。
この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。オープニングイベントから聴ける象徴的な曲ですね。PS2版はより丸みを帯びた、よりヒーリングミュージックに近いアレンジです。あわせてどうぞ。
