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#1248 『鮮烈のリュウ』(山岸継司/忍者龍剣伝/FC)

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テクモがおくるアクション・忍者龍剣伝より、

山岸継司作曲、ファミコン版の『鮮烈のリュウ』。4-2面で流れます。

高難度アクションで知られる忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズの原点として、同時期に稼働開始したアーケード版と並行して登場した本作。代々、龍剣を守ってきたハヤブサ家の末裔であるリュウは、決闘に敗れた父の遺言に従って渡米し、現地に渦巻く陰謀に挑むことになる。全6章20面構成の2Dアクションで、手裏剣や壁蹴り、炎波の術といった忍者ならではの多彩な動きと、テクモシアターと称される粋なビジュアル演出が特徴である。幕間デモにおいてさながら寸劇のように派手な会話シーンやアニメーションが挟まれるため、当時としては珍しかった物語重視のアクション体験を味わうことができる。特筆すべきは惨い難易度で、被弾時のノックバックが致命的になりやすい点や、雑魚敵の鳥が火力・配置ともに凶悪である点などから、攻略に根気を要する死にゲーらしいバランスを誇る。忍者と言いつつ主な舞台はアメリカでCIAが関わって邪鬼王が待ち構える闇鍋的な作風も印象的で、総じてまさに鮮烈なインパクトを放つ仕上がりとなっている。後にPCエンジンスーファミに移植されたほか、アーケードアーカイブスの一環としてPS4やスイッチ向けに配信された。

本作の音楽を担当するのは新田竜一氏と山岸継司氏。スタッフロール上ではSOUND DESIGNという欄のもとで、新田氏はB.B、山岸氏はMORE YAMASANと表記されている。いずれも当時テクモに所属していた作曲家である。また、同じ欄にHAKASEという名前も確認できるが、この人物は作曲はおこなっていないようである。本作では山岸氏が中心となって作曲していたそうで、新田氏にとっては本作(同名のアーケード版にも関わっているので、それとあわせて)がデビュー作であるらしい。ファミコン音源のポテンシャルをうまく引き出した、メロディアスでドラマチックな楽曲が揃っている。サウンドトラックについては、本作とAC版のBGMをまとめて収録したものや、AC版+忍者龍剣伝シリーズ3部作のサウンドを網羅したものなどが存在する。

第四章の二つめのステージである「バズリスク鉱山」で流れるのがこの曲である。ステージ開始直前に入る幕間デモで、敵本拠地を遠くから見据えるリュウの後ろ姿が映るが、その絵面の格好良さを引き継ぐ形で、曲もまた非常に聴き応えのあるキラーチューンに仕上がっている。冒頭1小節ほどオーソドックスな四つ打ちのビートを鳴らしたのち、すぐさま主旋律が入って短めの音価でスピーディーな音色を奏でる。メインメロディーがシンプルで耳馴染みしやすい一方で、カウンターメロディーが16分音符や休符を絡めて独特なリズムを紡ぐことで、併せて聴いたときの重なり具合が絶妙に心地良い。17秒以降でメインフレーズに突入してからも同様で、30~42秒で主旋律が奔放な間奏を奏でるときなどは一際華やかで疾走感あふれる印象を与える。ここはちょうど全20面中10番目のステージでもあるが、そうした折り返し地点を彩るにふさわしい象徴的な一曲である。

主人公のテーマ曲かつシリーズ全体の代表曲にもなっている有名な曲ですね。スタッフロールで専用のアウトロが足された『STAFF ROLL』という差分が流れるのも良い計らいです。アレンジも充実してますので、各種アレンジをまとめた動画をあわせてどうぞ。

(3:11~6:41 無双☆スターズより編:小池雅人『鮮烈のリュウ -Stars Mix GT-』/6:42~8:08 忍者龍剣伝GBより編:岩月博之『ステージ3』/8:09~14:04 無双OROCHI2より編:小池『鮮烈のリュウ -DW SW MIX-』/14:05~15:47 SFC移植より編:花岡拓也・宮崎博/15:48~最後 OROCHI3Uより『鮮烈のリュウ -TRINITY MIX-』)

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