VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1333 『Metropolis Mayhem』(三浦健/タイムクライシス4/AC)

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バンダイナムコがおくるガンシューティングタイムクライシスより、

三浦健作曲、4の『Metropolis Mayhem』。ステージ1のエリア3で流れます。

撃って隠れるゲーム性で知られるタイムクライシスシリーズのナンバリング4作目にあたる本作。国際特殊諜報機関・VSSEのエージェントであるジョルジョとエヴァンは、テロ組織の兵器の不正取引を阻止すべく奔走するうちに、やがて巨大な陰謀に立ち向かうことになる。全3ステージ×各3エリア構成のガンシューティングで、銃の形をしたコントローラと、踏んでいる間は応戦状態/足を離すと物陰に隠れられるフットペダルを軸とするシリーズ恒例の要素は順当に受け継いでいる。本作では新たにマルチスクリーンバトルというシチュエーションが加わった。多方向から迫る敵に対し、銃口を振ることで左右に画面を切り替えて戦うことになり、より空間的な広がりのある銃撃戦を体験できるようになった。また、ボイス専用スピーカーが搭載され、従来の英語音声と並んで、実力派声優を起用したシリーズ初の日本語音声が導入された。作中の仲間が無線通信で状況に応じた台詞を言ったり、攻略に役立つアドバイスをくれたりするため、直感的にテンポよく没頭できるようになった。シリーズ特有の撃って隠れて殲滅する駆け引きと爽快感に加え、映画的な臨場感が増した仕上がりとなっている。後に新要素を追加してPS3に移植された。

本作の音楽を担当するのは三浦健氏。当時、本作の稼働開始のすこし前まで開発元のネクスエンタテインメントに所属していた作曲家である。タイムクライシスシリーズの作曲には複数人体制だった前作に引き続き参加していて、本作では単独で全曲手がけている。アクション映画を意識したようなドラマチックなシンフォニックサウンドは本作でも健在で、ボイスともどもステージ攻略を力強く盛り上げてくれる。サウンドトラックは未発売だが、公式サイトで全曲分のmp3ファイルが無償配布されている。

ステージ1のエリア3で流れるのがこの曲である。ここでは初のボス戦が繰り広げられ、カリフォルニアの市街地を舞台に、3方向から沸いてくる雑兵や片手で対戦車ライフルをぶっ放すヤバい敵と撃ち合うことになる。直訳で「大都市騒乱」を意味する曲名に違わず、この曲はイントロからエレキギターを豪快に掻き鳴らすノイジーなロックナンバーに仕上がっている。全編を通してギターのインパクトが強いが、7秒から加わるシンセストリングスも引けを取らぬ存在感があり、壮大な劇伴を思わせるヒロイックでシネマチックな響きを帯びている。43秒頃でつんざくようなブラスの音色が奏でられると、続く49秒からは今度はブラスが主役になってストリングスが高音を中心としたパートを担うようになる。一連のフレーズが終わると1分7秒あたりからすかさずギターソロが入り、それまで管弦楽器に見せ場を与えていた分を取り返したうえで凌駕するような活躍を披露する。その後はループに向けて収束するかと思いきや1分30秒過ぎからもう一捻りあって、十分に盛り上げたところでループ間際のラスト数秒となる2分1~4秒で、ギターとオーケストラが激しく吼えて鮮やかに締め括る。ド派手なドンパチを怒涛の勢いで彩る一曲である。

格好良いですね、終始格好良いなかでも最後の締め方が抜群に冴えていて聴くと嬉しくなります。mp3は以下のページで配布されていますのでよろしければどうぞ。

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