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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#1415 『サクセスしあわせ島編/試合(2年目裏野球大会用)』(小野貴士・北川保昌・高本誠一・山川誠・弓島隆子/パワプロクンポケット6/GBA)

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コナミがおくる野球バラエティ・パワプロクンポケットより、

小野貴士・北川保昌・高本誠一・山川誠・弓島隆子作曲、

6の『サクセスしあわせ島編/試合(2年目裏野球大会用)』。

裏サクセスの試合で流れます。

実況パワフルプロ野球の派生作品であるパワポケシリーズのナンバリング6作目にあたる本作。未来から来たタイムパトロール隊員の主人公は、将来重要な発明をする町工場・和桐製作所が同じく未来から来た時間犯罪者の手で借金に追われ倒産の危機にあると知り、工場に入社して仕事しつつ、借金返済の交渉条件として野球部での勝利を目指すことになる。平日と休日に分けて社会人野球に勤しむ表サクセスと、島流しされて強制労働しつつ野球に勤しむ裏サクセスが収録されている。熱血でコミカルでSFチックでブラックジョーク多めの愉快な作風が魅力的で、育成期間が限られたりランダム要素が強めだったりするなかでも濃密な野球人生を味わうことができる。本作の新要素としてパワポケポイントが登場し、サクセスをクリアするたびに付与されるポイントを使って育成アイテムなどを入手できるようになった。野球の他にもミニゲーム類が充実していて、シューティングやランアクション、ギャンブルまで強烈な遊びが揃っている。面白おかしくネタ満載な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは小野貴士氏、北川保昌氏、高本誠一氏、山川誠氏、弓島隆子氏。いずれも当時コナミに所属していた作曲家である。このうち北川氏は3で、小野氏は4から、弓島氏は5からパワポケシリーズに携わっていて、高本氏と山川氏は初参戦である。本作は表・裏サクセスともにどす黒く尖った雰囲気が漂っているため、重く深刻な響きを帯びた楽曲も含まれるものの、基本的には明るく能天気で熱いサウンドが取り揃えられている。サウンドトラックは長らく存在しなかったが、2021年の歴代シリーズ一斉音源化に際して各種オンラインストアでデジタル配信されるようになった。

裏サクセスの試合で流れるのがこの曲である。前述の通り裏サクセスは島で強制労働させられる過酷な内容だが、そうして積もり積もった日々の疲労と鬱憤を発散させるかのごとくこの曲はストレートな勢いを帯びている。ギュインと鳴るノイジーでエネルギッシュなギターに、出だしから全力投球のテンションで響くブラスが絡み合い、聴いていると気合がみなぎってくるような快い印象を与える。27~29秒のピンポイントで高音を連続で奏でることでファンファーレを彷彿させる華やかな響きを生み出し、後続のメロディーをいっそう力強く盛り上げる。とりわけサビは天晴なノリがあり、そこに40~42秒や51~53秒でみられるようにフレーズ終盤にGBA音源ならではの陽気な電子音を添えることで絶妙な小気味良さを感じさせる。突き動かされるような衝動と情熱に満ちた一曲である。

この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。本当に気持ち良い曲ですね。