モノリスソフトがおくる協力アクションRPG・ソーマブリンガーより、
光田康典作曲、『リングタワー』。リングタワーで流れます。
ゼノシリーズで知られるモノリスソフトがDS向けにオリジナルタイトルとして発売した本作。大気にソーマと呼ばれるエネルギーが満ちる世界・トルヴェールを舞台に、ソーマの均衡が崩れたことで謎の生命体・ビジターが襲来、ビジター討伐のための組織・ファルズフ第七中隊に所属する主人公は、記憶喪失の少女・イデアとの出会いを機にソーマの謎に迫ることになる。シンプルなボタン操作によるハクスラアクションが特徴で、主人公は開始時に7人(クリア後に+1で計8人)から選択し、キャタクターをカスタマイズしながら物語は進行する。協力アクションRPGと公式で銘打たれている通り、マルチプレイに対応していて、オンラインゲームに似たプレイ感覚がある。アクションRPGというよりMORPGに近い仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは光田康典氏。音楽制作会社プロキオン・スタジオの代表で、モノリスソフト関連ではゼノギアスとゼノサーガで作曲した経験がある。氏は本作では携帯機向けの音楽ということで、DSのスピーカー性能などを研究し尽くして音楽づくりに励んだという。森や機動都市、古都に砂漠に浮遊大陸まで、冒険の舞台は多岐にわたるが、それぞれの地方に沿った独特な音使いが魅力である。サウンドトラックは主題歌入りで3枚組で収録されている。
物語終盤、Act5にて訪れることになるリングタワーは、炎の海に浮かぶ塔である。周囲一帯は過酷な溶岩帯だが、塔内部では様子ががらりと変わり、神秘的な風情を醸している。そこで流れるこの曲は、鐘の音からイントロが始まると、穏やかな曲調ながらも焦燥感に満ちた音色を響かせる。煌びやかな鉄琴に、弦を指ではじくピチカート、短いコーラスなどを交えながらようやくサビまで辿り着くと、開放感たっぷりに響くストリングスの旋律が奏でられる。明るくも切なく、美しくも儚い独特な雰囲気を持つ一曲である。
なんとなく聴いていると『夢の岸辺に アナザー・ワールド』を連想します。もしあれがフィールド曲じゃなくてダンジョン曲だったらこうなったのかな……みたいな印象です。